庭づくりのポイント

これから庭を造ろうと思っている人は、まず初めに、

  1. 何故庭を造るのか?
  2. どんな庭が欲しいのか?
  3. 庭造りの制約や条件は何なのか?
  4. 誰に頼めばいいのか?
と言う事をを考えて下さい。

トラックも重機も無かった昔、庭園を持つという事は、莫大な金と手間が必要であり公家や大名、豪商といった一部の特権であり、権力の象徴でもありましたが、幸いにも私たち現代人は、一般庶民でも庭を持つ事が出来るようになりました。

庭には、作庭当初にかかる工事費と、作庭後からずっと長期にわたって必要になる維持管理費などの手間と金が要ります。
石やレンガなどと違い、植物は犬や猫などのペットと同じで生き物です。年々大きくなりますし、病気や害虫の被害にも会います。
また、庭に不必要な雑草も生えてきます。これは日本庭園でもガーデニングでも同じです。
これらの手間とお金をかけてまで、本当に庭が欲しいのか?庭に対して其れだけの情熱を持てるのか?を考えて欲しいと思います。
ペットショップで子犬を見て、可愛いから欲しくなり飼ってはみたももの、餌を与えるだけで、散歩もさせず、夏の炎天下でもコンクリートの上でほったらかしにしているのや、折角大金と思い入れをかけて造った庭が何時の間にかジャングルと化している光景を見ると、本当に悲しく残念に思います。

次に、庭には前のページで述べたように、色々なスタイルがあり、それらを実際に見たり勉強したりして、自分の好みのスタイルを見つけてください。
(季節を感じる庭にしたいとか、明るい庭にしたいとか、露地風の庭や枯山水庭にしたいとか、維持管理の楽そうな庭にしたいとか。)
また、生活環境を考えた上で(陽射し・風向き・熱の放射・目隠し・スペースなどといった)、設計することも大切です。

いくら優れた造園家でも、一坪の敷地に本格的な池泉回遊式庭園を造るのは不可能ですし、出来上がってしまった建て物の中に、数十トンの石を運び入れるのも不可能です。作業工程を考えた上で、計画設計する事は、時間と金の無駄を省く事になります。

実際に庭づくりを業者に依頼する場合、その会社の規模や見積りの明瞭さより、その職人さんが、どんな庭(作品)を造ってきたかが大切です。
どんなに見積りが明瞭で、かつ安くとも、出来上がった庭が好みのイメージと全く違っては、お金をかけた意味がありません。
庭師という職人は、他の職人と違い、技術や経験だけでなく、美的センスが重要視されます。ワンパターンのものしか造れない人もいますし(それが施主の好みと合えば問題ないですが。)、多人数で造れば、安く立派なものが出来るわけではありません。(往々にして、その逆が多いですが。)


▲ PAGE TOP
BACK