庭石の見方と据え方

庭石の各部名称

庭石には石を据えたとき目に見える部分ごとに定まった名称があります。(地方によって名称の相違がありますが)

天 端てんば
石の上面に一つの平面がある場合、ここを天端と言います。
見つき
石を据えたとき正面に見える側面の部分。面、表などとも呼ぶ。
見こみ
正面から石を見たとき、見つきの左右、すなわち石の左右の側面に当る側を 見こみと言います。
根入れ
石を据えたとき地面に接する部分。(地中に入る部分を指すこともあります。)
見つきまたは見こみと天端との境の部分、角状に曲がったところを指します。
これは通常の石にはない方が多いが、石の或る面が突出し、その下が少し凹入している形状のとき突出の部分を鼻という。
あ ご
鼻の下にくぼみがある場合、それを あごという。通常、大きな欠点となるので地中に埋めてしまう。
しゃくり
天然に石面にできている凹入部分。クリコミという地方もある。
石 理
石の肌の模様や節目のようなもので、これが石に方向性を与えて、勢いに関係します。

庭石の据え方

一般的に、庭石の据え方には「山天」と「平天」があります。 山天は文字通り石の角の部分を頂点にする据え方で、平天は平らな面を上に向け、その面を水平にする据え方です。
庭石を据える前に、まず据えようとする石の形や石理をよく見て、どのように据えたら、その石を最大限に生かし美しく据えることができるかをイメージすることが大切です。 どの部分を天端にして、どこを見つきとするか、どれくらいの高さに据えるか、ということです。
そして、実際に据える際に最も基本になることは、どっしりと安定感がでるように据えることです。根入れをなるべく深くして、末広がりに石が大きく見えるよう据えなければいけません。 “根が切れる”すなわち根入れが浅すぎると、石が浮いたように見え、実に不安定で、かつ 石が小さく見えてしまいます。 なお、どう据えても根がきれてしまったり、あごなどの石の欠点が見えてしまう場合は、その部分に添え石をあてがったり、下草などを添えて隠すようにします。

× 悪い例

× 悪い据え方

〇 良い例

〇 良い据え方

据えられた石の形状から分類した石の呼び方

立 石
縦の方向に長く据えた石。
横 石
横の方向に長く使ったもの。
平 石
高さのない平ぺったい石。
伏 石
お椀を地面に伏せたような甲羅形になるもの。
平天石
平石とちがって、石にある程度の高さがあり、なおかつ石の天端が平らなもの。
斜 石
石を斜めに立てて据えたもの。

石組みの手法

日本庭園における石組の基本的な留意点

× 悪い例

× 悪い例

① 同じ高さに石を据えない。
石の頭部が揃い、均一になると石組の輪郭に変化がなく趣がでない。
② 同じような形や同じ大きさの石ばかり用いない。
上記と同様で、変化がなく単調になる。
③ 石を一直線に並べない。
直線的に石を配すときわめて平面的なものとなり、立体感も奥行もなくなる。石を組んだことにはならない。
④ 色彩の全く異なる石を組み合わせない。
例えば、赤石と青石の組合わせでは「水と油」の感じで調和がとれない。全体の統一感を考え、悪趣味にならぬように注意する。
⑤ 山石、川石、海石を一緒に組まない。 
自然が生み出した統一性を損なわないようにする。
⑥ 石理の方向を揃えて組む。 
石理の方向性がはっきりした石同士を組む場合、不自然にならないようにする。
⑦ 庭全体のバランスを考慮する。
石組は立派でも、庭に圧迫感を与え窮屈な感じになると台無しです。逆に貧弱な石組で植栽など他の要素に負けてしまってはならない。  常に全体の空間的バランスを考慮することが大切です。

二石組の基本

2個の石を組み合わせる場合、二石が対等の関係になることも稀にありますが、一般的には大きさ、形の異なる石を選び、主従関係を持たせるように据えます。大ぶりな方を主として、小さい方を従として添えるようにします。
また個々の石にはそれぞれ“気勢”があります。気勢とは石の形や大きさ、石理などから生まれる勢いです。 石を見たときに感じる力の方向性が、目に見えない線となって空中に出ているようなものである。石を組む際にはこの気勢を無視してはならない。
例えば左上に気勢のある主石を据えたら、その石の左方に、右上に気勢をもった石を据えます。そうすると力と力が互いに支え合うような均衡が生まれ、安定感のある石組みとなります。

三石組の基本

大きさ、形の異なる3個の石を組み合わせるもので、二石組とともに石組の基本単位となります。 主の役割をもつ石と従の役割をもつ石、その二石をさらに調和させ均衡を保つために添える石、以上の三石をもって組むのが三石組の基本です。 また、立体的に見て各石の頂点が、平面的に見て 各石の中心点が、それぞれ不等辺三角形になるように組むことが大切です。
なお、三石組も同様に各石の気勢をよく見て、バランスよく組むように心掛けます。

五石以上の石組

五石、七石・・・と多数の石を組む場合でも、一石,二石組,三石組を基本単位として、組み合わせることによってまとめられます。
例えば五石組の場合は、「3・2」,「3・1・1」,「2・2・1」など、七石組では「3.3.1」,「3.2.2.」などの組み合わせが考えられます。
庭はこうした複数の石組みの集合体であるといえます。
庭を構成するこうした要素の気勢が強ければダイナミックな庭になり、おとなしく均一的な気勢をもっていれば、安定感のある落ち着いた庭になります。

【 関連写真 】

三尊石組 三尊石組
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