飛石の起こりは安土桃山時代頃から露地(茶庭)に用いられるようになったと考えられ、当初は面の平らな自然石が主体でしたが、江戸初期頃からは一般庭園にも打たれ、また切石も用いられるようになりました。
飛石は、歩行のときに土や雨の雫などで着物や草履が汚れないように庭に打たれたもので、露地口より茶室までの間の苑路上に歩幅にあわせえ石を配置し、茶席までの誘導を行なうものです。
飛石には外露地と内露地内で、いかに客を誘導するかの道程を意匠化しておき、その順路を客に暗黙のうちに知ら示す必要がありました。この暗黙の指示が、飛石の中に打たれた「役石」すなわち役割をもった配石です。
敷石は、自然石や切石などを平らに敷きつめたものの総称で、一般的には畳石,石段,石畳などと呼ばれることもあります。
延段は、ある幅をもって直線やゆるやかな曲線状に長く延びた敷石のことをさします。
敷石は一般的に茶庭の外側である邸の入口である門から露地口までの間に用いられ、延段は露地内で、飛石に変化をもたらせ面白く演出するために用いられるようになりました。
敷石を「真の飛石」、延段を「行の飛石」と呼ぶこともあります。
飛石を庭に敷くことを「打つ」という表現を使います。飛石を打った場合、その歩き具合,歩きやすさを「わたり」といいます。
飛石の地上に出る高さを「チリ」といいます。チリをいくらにするかは、飛石を打つ場所、飛石のまわりが苔か,砂か,モルタルか、あるいは飛石の大きさ,形状,庭全体のふんいき、一般庭園か、書院式露地か草庵式露地かなどにより微妙に異なってきます。大きな石,丸みのある石では高く、小さな石,角ばった石では低いのが常識とされています。
書道の楷書、行書、草書などに見られるように、日本文化全般には、「