水の意匠が主題である庭園においては、橋は、自らが庭園景観を構成する意匠の一つとして庭園と調和し、一方では、庭園を回遊する際の実用的な園路の一部として機能してきました。
浄土式庭園において橋は、『この世』と『あの世』を隔てる『三途の川』を渡るための、露地における『中門』的な役割をもっていました。
枯山水庭園においてよく用いられる石橋は、実用的な園路というよりは水景表現の一つの手段となっていました。

橋の種類

木橋

構造による分類

丸木橋
半割りや踏み面をとった丸太を渡した最も簡単な構造の橋で、樵が渡る山深い渓谷の景を表現する場合などに多く用いられる。
板 橋
板面に厚板を用いた、丸木橋に次いで簡単な構造の橋。
桁 橋
橋脚の有る無しにかかわらず、桁によって橋面を支える構造の橋。
跳 橋
岸の橋台から角材や丸太材を斜め上方に突き出して片持ち梁とし、その先端に渡した梁を支点として、さらに片持ち梁を差し出して橋桁を置いた形態の橋。 肘木橋や猿橋もこの一種。

形状による分類

西本願寺 滴翠苑 踏花塢の木橋 八つ橋 亭橋の無際橋
反 橋
上部に凸型に湾曲させた形状の橋。太鼓橋や輪橋などとも呼ばれている。またこれに反して、平らな橋を平橋とよんでいる。
八つ橋
掘立の橋脚に桁を渡し、その上に通常8枚の厚板を千鳥にして架けた橋。『伊勢物語』の故事にちなんで、杜若を添えて植えることが多い。
すのこ橋
桁橋の一種で、橋桁の上に皮付きの小丸太を並べて橋面としたもの。丸太橋や黒木橋とも呼ばれている。
俎 橋
2枚以上の厚板を縦に渡しただけの簡単な橋。桁橋がないため、通常橋板の両端下部に枕梁を置き、橋板が横にずれないよう、四隅に杭を打っている。
汐見橋
古い和船の底板を利用した橋で、通常池尻の狭い箇所に架けられる。
廊 橋ろうきょう
上部に屋根をつけた橋。この屋根は、橋の中央部のみに架ける場合と、全体に架ける場合とがある。廊下橋、屋形橋、蔀橋、笠橋などと呼ばれることもある。
亭 橋
橋の中央部に少亭を設けたもので、廊橋の一種。

石橋

構造による分類

石橋
板石橋
一枚板を橋として用いたもので、庭橋として一番多く見られるもの。
継ぎ石橋
板石を2枚以上継いでつくった石橋。
桁石橋
桁(梁)によって橋面を支える構造となっている石橋。
アーチ(眼鏡)橋
江戸時代の初めに、中国の僧如定によって伝えられたアーチ型の石橋。
沢飛橋
沢飛石のこと。

土橋

土橋

土橋とは、橋桁の上に丸太を横に詰め並べ、その上に杉皮や粗朶などを敷き、さらにその上に小砂利混じりの土をのせて固めたもので、木製の桁橋の変形とでもいうべき橋です。

石橋石組

石橋石組

板石、橋台、継ぎ台石、橋脚石、橋挾石などによって構成されます。
石橋は自然石石橋と加工石を使った切石橋とに分けられます。
石材の種類としては、花崗岩や安山岩、緑泥片岩が用いられることが多い。
枯山水においては、水景を表現するためのひとつの重要な手段でもあります。

【 関連写真 】

反橋と平橋 平等院 平橋と反橋 平等院 反橋 西本願寺 虎渓の庭 石橋 西本願寺 滴翠苑 枯流れの石橋 西本願寺 滴翠苑の石橋と廊橋 永保寺 無際橋 青蓮院 石橋 銀閣寺 仙桂橋 銀閣寺 迎仙橋 銀閣寺 仙袖橋 兼六園 雁行橋 知立神社 石橋 知立神社 石橋 石橋
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