茶庭・池泉回遊式庭では、垣根・柵が、門と共に景観を演出する重要な意匠となっています。垣根は植栽を刈り込み垣とする生垣と柵である人工の木製のものに大別されます。
塀である土や木、石をもって頑丈につくる仕切りは、庭園内では好まれず、外界と庭との界に用いられました。
生垣には、景観のほかに遮蔽、目隠し、防風、防塵、防犯、防火、防音などの役割があります。
生垣は高さにより、主に庭のなかの仕切りや縁取りのための低垣、仕切りや目隠しのための中垣、防風・防火・遮蔽などの目的に使用される高垣に分けられます。
また、一般に生垣は単一の樹種を使ってつくりますが、数種類の樹種でつくった混ぜ垣や、高垣と低垣を組合わせ、下枝の少ない高垣の足元を隠したり奥行き感を表現した二段垣などがあります。
低 垣 | 中 垣 | 高 垣 | |
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常緑針葉樹 | ビャクシン, | カイズカイブキ,サワラ,ラカンマキ, | サワラ,イヌマキ,スギ, |
常緑広葉樹 | サツキ,イヌツゲ, | マサキ,サカキ,イヌツゲ,ベニカナメモチ,サザンカ,ツバキ, | サンゴジュ,シラカシ,アラカシ, |
落葉広葉樹 | ドウダンツツジ,ヤマブキ, | イボタノキ, |
※ 生垣用の木を植えるときは、その木の特性を考慮するとともに、生長したときを想定して間隔を空けて植える必要があります。
竹垣の名称には、下記のように分類することもあります。