垣根

垣 根

茶庭・池泉回遊式庭では、垣根・柵が、門と共に景観を演出する重要な意匠となっています。垣根は植栽を刈り込み垣とする生垣と柵である人工の木製のものに大別されます。 塀である土や木、石をもって頑丈につくる仕切りは、庭園内では好まれず、外界と庭との界に用いられました。

垣根の種類

生垣

生垣

生垣には、景観のほかに遮蔽、目隠し、防風、防塵、防犯、防火、防音などの役割があります。
生垣は高さにより、主に庭のなかの仕切りや縁取りのための低垣、仕切りや目隠しのための中垣、防風・防火・遮蔽などの目的に使用される高垣に分けられます。
また、一般に生垣は単一の樹種を使ってつくりますが、数種類の樹種でつくった混ぜ垣や、高垣と低垣を組合わせ、下枝の少ない高垣の足元を隠したり奥行き感を表現した二段垣などがあります。

生垣に適した樹木

  1. 目隠しなどの役割をかんがえると、落葉樹よりは常緑樹のほうが一般的。
  2. 強い剪定にも耐え、発芽力が強いこと。
  3. 枝葉が密に繁ること。
  4. 病害虫、公害に強いこと。
  5. あまり生長の早い木は形が崩れやすく、管理が大変である。
  6. その土地の気候風土に適していること。(気候、土質、植える場所の乾湿、陰陽、風の具合など)
【生垣に向く主な樹木の例】
低 垣中 垣高 垣
常緑針葉樹ビャクシン,カイズカイブキ,サワラ,ラカンマキ,サワラ,イヌマキ,スギ,
常緑広葉樹サツキ,イヌツゲ,マサキ,サカキ,イヌツゲ,ベニカナメモチ,サザンカ,ツバキ,サンゴジュ,シラカシ,アラカシ,
落葉広葉樹ドウダンツツジ,ヤマブキ,イボタノキ,
More ≫ 用途別については、本サイト内の『植栽の手法 』中のテーマ別配植や、『庭木 』中の庭木の特性の項目を御参照して下さい。

※ 生垣用の木を植えるときは、その木の特性を考慮するとともに、生長したときを想定して間隔を空けて植える必要があります。

【 関連写真 】

生垣 中垣 低垣 低垣 二段垣 低垣

竹垣

用途による分類

遮蔽垣 透し垣
遮蔽垣
目隠しを目的とするもの。
(建仁寺垣,御簾垣,大津垣,沼津垣,桂垣,竹穂垣,柴垣,木賊垣など)
透し垣
後ろが透けて見えるもので、主に仕切りを目的とするもの。
(四つ目垣,金閣寺垣,龍安寺垣,光悦寺垣,矢来垣など)

使う場所や目的による分類

外垣 衝立垣と袖垣
外 垣( 囲い垣 )
庭の外周を囲んでその境界を示すためのもの。
内 垣( 仕切り垣 )
区域を仕切るためのもの。
袖 垣
建物に接して短く設けたもの。遮蔽垣タイプと透し垣タイプとある。
衝立垣
移動できるもの。

竹垣の種類

竹垣の名称には、下記のように分類することもあります。

  1. 寺院や所在する場所によるもの。
    (建仁寺垣,金閣寺垣,銀閣寺垣,龍安寺垣,大徳寺垣,桂垣,光悦寺垣,南禅寺垣など)
  2. 形状によるもの。
    (御簾垣,四つ目垣,茶筅垣,矢来垣,鉄砲垣,鎧垣,木賊垣など)
  3. 地名によるもの。
    (大津垣,沼津垣など)
  4. 素材からつけられたもの。
    (竹穂垣,萩垣,篠垣,柴垣,黒文字垣など)
  5. 人名からきているもの。
    (利休垣,遠州垣など)

主な竹垣

四つ目垣
もっともシンプルな竹垣で、透し垣の代表。丸竹を縦と横に十字に渡して組み上げたもの。唐竹を横に渡した4段の胴縁と、立子が垂直に前後交互に結ばれ、四つ目ができることから呼ばれています。
建仁寺垣
遮蔽垣の代表とされる。親柱を立て、数本の胴縁を横に渡し、竹を四つ割にした立子を立てている。太い竹の半割りを押縁に使い、上部に玉縁をかぶせるのが一般的。
御簾垣みすがき
親柱に横を彫り、さらし竹の組子を横にさし込んでいき、裏表から縦の押縁をあてたもの。その意匠が簾のようにみえるのがこの垣の特徴で、名称の由来にもなっている。
鉄砲垣
親柱の間に胴縁を渡し、丸竹を数本で一組とした立子を表裏、交互に取りつけていく形式。鉄砲を並べて立て掛けた様子に似ることから「鉄砲付け」とよばれ、それがこの垣の名の由来となっている。
立子の形状や素材によって「松明垣たいまつがき」や「茶筅垣ちゃせんがき」とも呼ばれます。
金閣寺垣
鹿苑寺(金閣寺)の境内に作られているものを本歌とする竹垣。足元垣(人の脚付近から下位の高さの低い垣の総称)の代表とされている。この垣の特色は胴縁を用いないことで、親柱と間柱の間に丸竹の立子を等間隔に立て、その下側と上部に表裏から太竹半割りの押縁を掛ける。上にはさらに太い笠竹をかぶせて全体を玉縁とするが、この玉縁も胴縁も親柱と立子の双方をはさんで掛けるのが大きな特色となっている。
龍安寺垣りょうあんじがき
京都の禅寺龍安寺境内に作られているものを本歌とする竹垣。組子に割り竹を2枚合わせにしたものを菱目に組み、上下を押縁で挟んだ構造のもの。
沼津垣
網代垣の一で、主に沼津地方で箱根竹を編みこんだ垣が多くつくられていたことに由来する。組子には細い篠竹を用い、斜めに編み込んでいくのが特徴。
大津垣
細割竹や通常の山割竹を立子として、数段に渡した胴縁に表裏交互に差し込んでいき、上部に玉縁を掛けたもの。
光悦(寺)垣
本阿弥光悦ほんあみこうえつゆかりの京都光悦寺のものを本歌とする竹垣で臥牛垣がぎゅうがき宗左垣そうさがきの別名があります。一方だけに親柱を立て、組子を菱形状に交差させ、玉縁は太竹を細く割ったもので下地の竹穂を巻いてつくります。この玉縁が曲線状に地面に至って終わるのが特徴。
木賊垣とくさがき
太い竹の半割りを立子として並べ、胴縁が木の場合は釘止めにし、竹の場合はシュロ縄でからげたもの。割竹の立子が並んでいる姿が植物のトクサに似ていることからその名がある。
竹穂垣
竹穂を立子や組子として使った竹垣の総称。桂垣、蓑垣、松明垣、大徳寺垣など。モウソウチクやクロチクを用いた白穂の竹穂垣と、ハチクの枝を用いた黒穂の竹穂垣がある。
桂垣かつらがき
桂離宮の表門左右につくられているものを本歌とする竹垣で、竹穂垣の最高峰ともいえるもの。桂穂垣ともいう。
芯には竹のくず枝を詰め、組子としては枝付きの竹穂を横に入れる。その表面に太竹半割りの押縁を縦に掛け、その上部を上に突き出して、裏側を斜めに削ぐのが特色である。

【 関連写真 】

金閣寺垣 四つ目垣 銀閣寺垣 大津垣 大津垣(袖垣) 矢来垣 建仁寺垣 建仁寺垣 鉄砲垣 建仁寺垣 建仁寺垣 四つ目垣 金閣寺垣 鉄砲垣 竹穂垣 御簾垣

竹垣の構造に関する名称

 【 建仁寺垣の構造例 】

親 柱おやばしら
竹垣の両端(袖垣の場合は片側だけになることもある)に配置して地面に埋め込み、構造の主体となる太い柱。留柱ともいう。
間 柱まばしら
長い竹垣の場合に、親柱の間に用いる構造材。普通は1.8mごとに立てる。
組 子くみこ
竹垣の表側に用い、意匠の中心となる材料のこと。通常横使いの物を指す。
立 子たてこ
組子の中で縦使いの物。
胴 縁どうぶち
竹垣の裏側で、親柱と親柱の間に数段に渡す、構造材。用いない場合もある。
押 縁おしぶち
組子や立子を表から押えるもの。組子を保持するとともに装飾的な役割をもつ。
縄掛け
シュロ縄などで、組子を胴縁に取り付けること。
むめ板
地面よりやや上で、親柱の間に水平に渡す板。ぬめ板ともいう。
巻立子まきたてご
竹穂、萩などを束ねて、松明のような形にした立子。
玉 縁たまぶち
雨よけとデザインを兼ねて、竹垣の上部に渡されるもの。割竹などが用いられる。

竹垣の材料に関する名称

篠竹しのだけ
細い竹、ヤダケ,メダケ,ハコネダケなどの総称。
清水竹
主に篠竹を加工した竹の製品名。火であぶって曲がりを直し、脂抜きを行って、砂みがきかけたもの。ふつう長さ2.0m内外で太さは何種類かに分けられている。
竹穂たけほ
竹の枝部分の総称。わびた感じのクロチクの黒穂と、これより白っぽいモウソウチク,ハチクなどの白穂があります。
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