鑑賞方式による形式区分
回遊式庭園
庭園内を移動しながら鑑賞する庭。
鑑賞する視点が変化する庭、比較的規模の大きなものが多い。
書院式庭園
主に座敷または部屋の中から鑑賞するための庭。座視鑑賞式ともいわれる。
形式的相違による形式区分
築山式庭園
- 庭の一部に人工的に盛り土をした(もしくは、自然の)山があるもの。
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山や谷を表現するのに用いられる手法。
築山のなかでも勾配の緩やかなのもは野筋と呼ばれ、自然の野の風景を表すために用いられる手法。
平庭式庭園
- 庭全体にほとんど起伏がなく、平らな面に作られた庭園。
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枯山水においては、海や島を表現するのに用いられる手法 。
池泉式庭園
- 実際の水を、庭の中へ景観の要素として取り込んだもの。
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中国から伝わった蓬莱神仙思想の影響からか、古くから日本庭園に多くみられる形式。
池中に島を築き 神仙島を表現し、長寿や永劫の繁栄を祈った。
蒸し暑い日本だからこそ、発達した形式とも言えるかもしれない。
枯山水式庭園
- 水を用いず、石や砂利などで山水の風景を表現するもの。
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主に山の斜面に造られた前期式枯山水と、寺院の平庭に造られた後期式枯山水の二種類に分類。
坪庭
- 建物の中に取り込まれた、比較的小面積の庭。
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京都の町中では、表通りがお店で奥が住居部分という周りが囲まれた「ウナギの寝床」といわれるような細長い敷地が多く、通風性・採光・区切り・鑑賞といった目的の為、
オープンスペース(中庭)が生まれ、その狭い空間を活かすべく、枯山水や茶の湯の庭の形式手法を応用するなどして、様々な意匠が考案され発達した。
日本庭園の代表的な三大様式
飛鳥時代に中国大陸や朝鮮半島から伝わった神仙蓬莱思想が渡来し、その思想に基づいた池泉庭が造られ、 やがて渡来文化を消化しつつ日本独自の庭園文化が造りだされるようになりました。
浄土式庭園 (Paradise Gardens)
平安時代後期から鎌倉時代にかけて盛んになった阿弥陀信仰に基づく庭園。
枯山水 (Zen Gardens)
室町時代中期の応仁の大乱後、復興した京都の禅寺から発祥したと考えられるもので、水を用いず白砂などを敷き詰めて水景を象徴し、そこに石を組んだ様式の庭園。
露地 (Tea Gardens)
安土桃山時代、茶の湯を行なうための設備のある専用空間で、茶席に対して造られた庭。
江戸時代になると、茶庭も含めて舟遊あり、回遊あり、座観式ありと、過去の庭園様式のすべてを含む一大総合庭園が宮廷庭園、大名庭園として出現しました。